恋して、チェリー
……ああ、なんかダルい。
最近のあたしは、何かおかしい。
暴走し過ぎちゃって、疲れちゃったのかな。
燃料切れ――?
元気だけが、取り柄なのに。
あたしから妄想と暴走と、元気を取ったら何が残るんだろう。
重たい足取りのまま歩いていたら教室を通り過ぎ
気が付けば、校長室の前まで来ていた。
「無意識ってコワい」
独り言をこぼして、きびすを返した時だった。
「どーゆー事!?」
甲高い女の子の声と、机をバシン!と叩く音。
……え?
な、……何?
足が、そのまま床に張り付いたように動かない。
「あたし1組って希望出したんですけど」
「……ですから」
強気な声に、その後に続くか弱い校長先生の声。
「1クラス何名までって決まっているんです」
「じゃあせめて、隣のクラスがいいです」
「3組しか空いていなかったんですよ」
ハンカチで顔の汗を拭う校長の姿が想像出来た。