恋して、チェリー


……ああ、なんかダルい。


最近のあたしは、何かおかしい。


暴走し過ぎちゃって、疲れちゃったのかな。

燃料切れ――?


元気だけが、取り柄なのに。



あたしから妄想と暴走と、元気を取ったら何が残るんだろう。



重たい足取りのまま歩いていたら教室を通り過ぎ

気が付けば、校長室の前まで来ていた。




「無意識ってコワい」

独り言をこぼして、きびすを返した時だった。



「どーゆー事!?」

甲高い女の子の声と、机をバシン!と叩く音。



……え?

な、……何?


足が、そのまま床に張り付いたように動かない。




「あたし1組って希望出したんですけど」

「……ですから」

強気な声に、その後に続くか弱い校長先生の声。




「1クラス何名までって決まっているんです」

「じゃあせめて、隣のクラスがいいです」

「3組しか空いていなかったんですよ」

ハンカチで顔の汗を拭う校長の姿が想像出来た。


< 74 / 202 >

この作品をシェア

pagetop