【短】君想い
『あ、雨…』
学校が終わって、友達と別れて外に出ると、ぽつぽつと雨が降っていた。
ついてないなぁー…傘なんて持ってないし、、!
『どぉしょー…』
「傘ないのか?」
振り向くと純が手に傘を持って。
『あ!傘持ってるんだー!!』
私が言うとニカッと笑う純。
「良いだろー?」
『うらやましい!!ちょうだいよ~!!』
傘を奪おうとすると、私よりも10㎝以上高い身長差で届かない位置に上げられた。
「ちょうだいって俺が濡れるだろうが」
『あ?バレた?』
私が笑うと、純もハハハと笑った。
それから傘を広げた。
「入れてやろうか?」
なんだかんだ言いながら、私に少し傘を傾けて立っていてくれる純。
思わず顔が緩んで笑顔になってしまった。
そんな表情を隠しつつ純に私は近づいた。
『ほんとにっ?ありが、、「雨なんだー…」…ッ!』
『ありがとう』と私が言いかけた時、、後ろから聞き慣れてるけど、今はあまり聞きたくないソプラノボイスが聞こえた。
声の方は後ろ。
…見なくても純の嬉しそうな顔を見れば誰か分かるよー…。
「高宮じゃん!今帰り?」
「うん!2人も?」
「そうだぜ!まぁ蒼依とは今、会ったとこだけどな!!」
「そっかぁ!」
笑顔の凛ちゃんに私も笑った。
「高宮、、もしかして傘ないのか?」
そぉ純が言うと少し眉を下げる凛ちゃん。
「持ってないんだぁ~…」
「な、、なら一緒に帰ろうぜ!!」
純が顔を赤らめながら言うと、凛ちゃんは私にちらっと視線を向けた。