恋愛模様～桜舞散る～

　学校に着く１０分位前になると、私たちは話すのをやめて、少し離れて歩くことが多かった。皆にからかわれるから。尚くんはそんなの気にしないって言ってくれたんだけど、ある日、意地悪なゆみちゃんとあいかちゃんが来て、「ねえねえ、二人って付き合ってるの？」って聞いてきたから、私は「ううん。付き合ってないよ。ただの友達だよ。お家が近いから」って言って、尚くんを突き飛ばすように離れてしまったんだ。その時尚くんはとても悲しい顔をして、そしていつもの笑顔になったんだ。

　それ以来かな、学校に着く１０分前くらいには、お互いに何も言わないでも距離をあけて歩くようになったのは。二人とも下を向いてね。