SQUARE

冷酷人間

あの日俺は涼しい顔で教室に戻った。

ちょうど5限目の授業が終わった頃。

「おいっ!きょーっ!吸うのにどんくらいかかってんだよ!」

由宇が耳元できゃんきゃん声をあげる。

「…ごーめん、なんか授業サボりたくなっちゃって。」

「なっちゃってじゃねーよ馬鹿。
古典の女王蜂、休むならちゃんと言えとかぼさいてたし。
俺がとっさにフォローしてやったけど!」

「まじで?なんてフォローしたの。」

「香麻君は腹痛で保健室ですって。」

「………ありきたりじゃん。
腹痛とか…、たいていみんな下痢とか予想すんじゃん。」

「………いやありきたりでも下痢でも感謝しろよあほ。
あいつにバレたらまぢでたいぎーんだし。」

< 25 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop