SQUARE



「てかさ、ちょいライターある?」

「は?んだよ、お前も吸いに行くんかよ。」

「いや俺7限サボっちゃうし。」

「あーあーそーすか。
…っと待てよ、ライターライター…」

「何?ないの?落としたの?」

「あっれ?っかしいな、今朝買ったんだよ赤いの。」

「え~まじでねえの?
もー時間ねえし、他のやつに借りる時間ねえし、てかこのクラス吸ってんのお前と俺だけじゃん。」

「諦めて出れば?」

「だってさあ、数学だぜ~?昼から数学だぜ~?頭働くわけなかろう。
しかも俺、素敵に数学出来ちゃうし。」

由宇はけらけらと笑って答える。

こいつは世に言う天才肌だ。

ほら、クラスにひとりやふたりいる、努力しなくても器用にこなしちゃう、あーゆうやつ。

そのうえ顔もノリも良いもんだからさ

「えーーー、由宇サボっちゃうのお?」

「ちょっと~隣寂しいじゃん。」

………ほらね。
クラスの3、4人は由宇に惚れちゃってるわけ。

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