私の旦那様

｢ところでよ…なぁ〜んで、お嬢様育ちのお前が、あんな教師と一緒に歩いてたんだよ？…｣

｢聞きたいです〜｣

｢……他の人達には内緒ですわよ｣
私は小声で、昨日遭った出来事を包み隠さず教えてあげた。


｢お前!!結婚したのかよ…｣
｢凄いです〜人妻ですね〜｣

｢まぁね…お互い知らない間に、私のお父様と、相手のお父様が勝手に決めた結婚でしたのよ｣

｢うっわぁ〜ｴﾘｻﾞも大変だよな〜…お金持ちには、憧れるけど…そう言うの聞くと凡人で良かったと思うよ｣

溜め息を吐きながら、深刻そうに頷く。

｢ｴﾘｻﾞ…可哀想です…｣
しょぼん…となって優芽は、うっすらと涙を浮かべている。

優芽は、ちょっと変わってるけど、凄く情にもろくて純粋な可愛い子なのである。


｢優芽が泣くことないだろー？…泣きたいのは、ｴﾘｻﾞ何だからなー!!｣

そう言いながら、美咲も貰い泣きしている。

美咲は、とても口が悪い。(自称…元ヤンらしい)だけど、本当は熱い心の持ち主で弱い者には優しく、強い者には強く、そんな貰い泣きしやすい子なのである。