雨の降る街
昼下がりの二人
食事の後は手を繋ぎ、ブラブラと街を歩く。
気まぐれに気になる店に入ったり。
いつの間にか雨は上がっていた。
雨が降ってないと、傘は邪魔になる。
「あ、そこの雑貨屋に寄っていい?」
私はお気に入りの雑貨屋を指差す。
「あぁ、いいよ。」
彼を引っ張るようにして店に入った。
店内は、アンティーク調で、アクセサリーや小物、文具など、様々なものが置かれている。
ここはいつ来ても、私好みの物ばかり。
いくつか商品を手に取り、物色する。
彼は彼で、少し離れた所で商品を見ていた。
買うものを決め、レジに行く。
途中、アクセサリーショーケースを覗く。
リング、ブレスレットなど、数点並んでいたけど、その内の1つのネックレスに目が奪われる。
…可愛い!けど、値札を見ると少し高い。
次のお小遣が貰えるまで半月はある。
今の私には無理だと、ネックレスをじっと見つめたまま、頭の中でざっと計算した。
「…ネックレス?」
いつの間にか、横に来ていた彼がショーケースを見る。
「うん、今日はいいや。また今度にする。レジに行って来るね。」
会計を済ませて、雑貨屋を出る。
時計を見ると17時過ぎていた。
「じゃぁ、私、そろそろ帰る。…あ、傘!」
駅に向かって歩き出していた時に気がついた。
さっきの雑貨屋に忘れてきた。
「俺、すぐに取って来るから、ここで待ってて。」
そう言うと、彼は店に向かって走り出した。