雨の降る街

彼の背中を見送り、黙ってその場で待つ。



今から…この帰り道で、きっと別れを告げられる。

仮に私がどんなに縋っても、彼に気持ちがないのなら意味がない。

私は今までのように別れを受け入れるだけ。

「気持ちがわからない」と言った過去の人達の時と同じように。



実際は短い時間だったはずなのに、一人で待つ時間が、重く長く感じられた。



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