ラブレター
「それでは、今日はここまでです」
担任の上田がそう言うと、クラスみんなが喋り始めた。
私は携帯をいじる。誰か1人でもいいから友達になりたいと気持ちがあった。
「うわ~!携帯のデコ可愛いね!!るうもそんなのになりたあい!」
その声に反応して前を見た。
ニコニコ笑っている小ギャルがいた。
「これは自分でやったのおー?」
「うん…」
その仔は「すごい♪すごい♪」とピョンピョンはねていた。
「お名前は?顔とっても可愛いねッ♪」
「そんなことないよ…杉原 芽惟だよ。芽惟って呼んで」
「嫌々、とっても可愛い♪芽惟ね!うちは、るうだよ☆るうって呼んで♪
メアド交換しよ-ぅ☆」
赤外線でお互いのプロフィールを交換した。

るうは毎日優しくしてくれたね。
そんなるうはとっても大好きでした。

「疲れた…」
家の中に入っても誰もいない。
1人暮らしだからだ。
正直言って1人暮らしは寂しすぎる…。
まだ片づいていない部屋。
段ボールがそこら中にちらかっていた。
私は段ボールからギャル系の服を取り出すと家を出た。
「閉まらないんだけど…」
鍵が閉まらない…。
ボロアパートって事は始めから分かっていた。
でも、鍵が閉まらないなんて…。
「何でぇ~…」
何回も何回もガチャガチャしていた。
でも、閉まらない。
私は半泣きだった。
今からひろと逢うからだ。
「何してんだよ」
「へぇ…?」
横を向くと、不良がいた。
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