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ドアの向こうに我が家の庭は広がってなかった。


アユの言った通り、玄関のドアは“どこでも行けますドア”に変身したみたいで、初めてみる景色が広がっている。


「着いたよ。まだ生徒会室には着いてないけど。」


どっちだよ。


「おいで。こっち。」


幽霊がお住まいの廊下はやっぱり薄暗い。


……わけでもなく、暖かいオレンジ色の光で照らされていた。

高級ホテルの廊下を歩いてる気分だ。


扉の一つ一つがゴツくてデカいんだけどこのゴーストスクール、授業料いくら?


ほけーっと辺りを見てると、突然止まったアユの背中に鼻を打ちそうになった。

危ない危ない。


「ここだよ。生徒会室。」


目の前にそびえ立つのは、これまたゴージャスな扉。


………おぉ、すげぇ。


思わず尻込みをしてしまうのは、あたしが庶民だからですか?

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