メイン更新

問い掛けられた山田川さんはしばらく考えこんだあと、

「わかり、ません…。」

震える声でそう答えた。


なんだ、この子も人違いじゃないの?


「おい、顔上げな。」

彼女を連れて来た三つ編み美少女が命令を出す。


そろそろと顔をあげる女子高生。


見ているだけでかわいそうだと思う。



「………ぁっ!」


そして顔を上げた彼女は何かを思い出したようだった。


ちょ、あなた、目がハートになってるよ?
生徒会長を見る目がウットリしてるよ?

まるでさっきのあたしを見ているようで恥ずかしい。


「あなたは、祭の時の…。」

「思い出した?」

「……イケメン…」


この部屋にいる生徒たちは、一連の会話を聞いてハァとため息をついてうなだれた。


「こいつ、自分のしたことすら覚えてねぇな。」

誰かが呆れたように呟く。
< 20 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop