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問い掛けられた山田川さんはしばらく考えこんだあと、
「わかり、ません…。」
震える声でそう答えた。
なんだ、この子も人違いじゃないの?
「おい、顔上げな。」
彼女を連れて来た三つ編み美少女が命令を出す。
そろそろと顔をあげる女子高生。
見ているだけでかわいそうだと思う。
「………ぁっ!」
そして顔を上げた彼女は何かを思い出したようだった。
ちょ、あなた、目がハートになってるよ?
生徒会長を見る目がウットリしてるよ?
まるでさっきのあたしを見ているようで恥ずかしい。
「あなたは、祭の時の…。」
「思い出した?」
「……イケメン…」
この部屋にいる生徒たちは、一連の会話を聞いてハァとため息をついてうなだれた。
「こいつ、自分のしたことすら覚えてねぇな。」
誰かが呆れたように呟く。