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目を開けるのがあまりにも恐すぎて、あたしは手探りでリビングへと行くハメになった。


開けれない、開けれないよ。目を開けた瞬間に見えたら嫌だもん。開けてたまるか!!


盲目ってこんなんなんだと道徳的学習を修めた。


リビングに入ったんだと思った次には鞄を探す。


ケータイ…ケータイどこ?


背後からクスクスと笑い声が聞こえる気がするけど、ほんと勘弁してよ。気のせいだよ絶対に。





「…あった。」


片手にハンガーを持ったまま、ケータイを手に入れたあたし。


ケータイを開いて、間違えないように慎重に番号を押していく。


目をつぶってるから本当に難しい。



耳に響くコール音。


早く出て!!早く!!


あたしは震える手で祈るばかりだった。


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