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お母さんは看護師でケータイはダメだし、お父さんは寝てるから無理。


《もしもし?どーしたの?》


電話に出たのは、幼なじみのミカだった。


「ミミミミミカ!!ミカミカミカミカ!?」


テンパってるせいで、まともに喋れないあたし。

背後で舌打ちが聞こえた気がしたけど、それどころじゃなかった。


《え、何!?》

「出た出たっ!!」

《え!?何て?よ…聞こ…ない》

「ミカ!?出たよ幽霊後ろいる!!」

《もしもーし?こ…ち?何て言っ…の?》

「え、ミカ!?ちょっと」

《い…ザー…て?まプー プー プー》

「ミカ!?」




耳に響くのは無機質な機械音。


ちょっと一人にしないでよ!!


ガタガタと肩は震え、ガチガチと歯が鳴る。


つか、お父さんの馬鹿!!何でこういうときに酔い潰れんの!?



「君の行動、面白いから黙って見てたけど、他人に助けを呼ぶのはずるいと思うよ。」


ずるいもクソも関係ないから。そんな場合じゃないから。


「――――って、え?」



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