ヒマリュウ-Ⅱ- 〜08.11-【番外編】追加〜
言い争いになるのはいつものこと。
…なのに、胸が苦しいのはなぜ?
『………』
「…?桃?」
急に俯いたあたしを、心配そうに伺って来る冬可。
『………?』
「ほら、これだろ?」
急に温かくなった腕に視線を向けると、今まで冬可の腕にいたはずのモモがいた。
「そんぐらいで機嫌崩すなよ」
…冬可なりの優しさ。
頭をクシャ…と掻く仕種も、その笑顔も。
…全部あたしで独占したいよ。
…凛々さん、ゴメンね?
あたし約束守れない。
…そんな生半可な気持ちで、好きなわけじゃないから。