ヒマリュウ-Ⅱ- 〜08.11-【番外編】追加〜
こんなあたし達を、切なげな表情で見つめているのは、琴華さん。
…でも、それは一瞬で。すぐにいつもの顔に戻って、
「これ、」
あたしたちに何か、紙切れを手渡して「実行する日に連絡するわ」そのまま帰ってしまった。
…帰り際に、さりげなく伝票をもって。
『番号…と、アド』
「だな。」
渡された紙を開けば、そこにはケータイ番号とアドレスが。
いつでも連絡できるようにだろう。
そんな配慮が、堪らなく嬉しかったりする。
…今日だって、あたしの隣に座ったのは琴華さんなりの優しさ。
…仲良くなれば、いい人なのかもしれない。
そんな思いを抱きながら。
あたしは紙を見ながらケータイを取り出した…――。