ヒマリュウ-Ⅱ- 〜08.11-【番外編】追加〜



…そう、あたしの目から見えていたもう一つの書類とは、"婚姻届"。



『…はい?!』


「分かった」


『…って、ちょ、え?!』



勝手におっけーの返事をするなり、スラスラと"夫"の蘭に名前を書いていく。



『…え、え、え?!』



書き終わるなり、"おじいさま"に差し出された印鑑を受け取ると、しっかり押印をして。



「はい」



ペンと共にスライドさせて、あたしの前に婚姻届を差し出した。



サインをするべきか、しないべきか…。

いや、するべきなんだろうけど、…いや、でも…。



どうしていいか分からずにオロオロしていると、「桃」隣の冬可からあたしの名前を呼ぶ声が聞こえた。



< 214 / 262 >

この作品をシェア

pagetop