ヒマリュウ-Ⅱ- 〜08.11-【番外編】追加〜
…そう、あたしの目から見えていたもう一つの書類とは、"婚姻届"。
『…はい?!』
「分かった」
『…って、ちょ、え?!』
勝手におっけーの返事をするなり、スラスラと"夫"の蘭に名前を書いていく。
『…え、え、え?!』
書き終わるなり、"おじいさま"に差し出された印鑑を受け取ると、しっかり押印をして。
「はい」
ペンと共にスライドさせて、あたしの前に婚姻届を差し出した。
サインをするべきか、しないべきか…。
いや、するべきなんだろうけど、…いや、でも…。
どうしていいか分からずにオロオロしていると、「桃」隣の冬可からあたしの名前を呼ぶ声が聞こえた。