ヒマリュウ-Ⅱ- 〜08.11-【番外編】追加〜
インターホンらしきモノから聞こえた声に、握っていた冬可の手を更にギュッと握りしめる。
冬可もそれに応えるように、握り返してくれた。
…それだけが、堪らなく嬉しかったりする。
「佐蔵です」
《佐蔵様、どうぞ御入りください》
云うなり、固く閉ざされた門がギーッと音を立てて開いた。
敷地内はもっと凄かった。
これが家?とか疑問になるぐらい、噴水があったり森みたいに木が繁っていたり…。
周りを見渡して感嘆していると……「冬可?」今最も会いたくて、今最も会いたくない人物が目の前に立っていた。