ヒマリュウ-Ⅱ- 〜08.11-【番外編】追加〜



「――…で?」


「…え?」



書類に一通り目を通した(…って言っても二回目)冬可が、書類から目を離し凛々さんを見つめて言った。


だから何だ、と。

これが全てだ、と。



凛々さんの顔には困惑の表情が浮かぶ。

必死に何かを考えているようだ。



…でも、確かに。

書類を盗み見れば、冬可の印は押してあるのだから、それが嘘じゃない…コトぐらい一目瞭然だ。



…でもそれを信じたくない気持ちは、あたしにも痛い程わかる。

わかるからこそ、何も言わなかった。



< 223 / 262 >

この作品をシェア

pagetop