ヒマリュウ-Ⅱ- 〜08.11-【番外編】追加〜
「――…で?」
「…え?」
書類に一通り目を通した(…って言っても二回目)冬可が、書類から目を離し凛々さんを見つめて言った。
だから何だ、と。
これが全てだ、と。
凛々さんの顔には困惑の表情が浮かぶ。
必死に何かを考えているようだ。
…でも、確かに。
書類を盗み見れば、冬可の印は押してあるのだから、それが嘘じゃない…コトぐらい一目瞭然だ。
…でもそれを信じたくない気持ちは、あたしにも痛い程わかる。
わかるからこそ、何も言わなかった。