ヒマリュウ-Ⅱ- 〜08.11-【番外編】追加〜
流れるような…それでいて悲しそうな。
そんな動作を一通り見ていた冬可が、「はい」と書類を渡された時でさえ、もう口を開くコトはなかった。
ただ黙ってソレを受け取ると、黙って茶封筒の中に丁寧にしまっていく。
そして、しまい終わった…その刹那。
「…帰るか」
『…え?』
ボソ…っと呟いてあたしの手を引くと、一回も振り返るコトなく、凛々さんの家を後にした。
…帰り際に見た凛々さんは、…必死に泣くのを我慢している。
そんな感じがした。