ヒマリュウ-Ⅱ- 〜08.11-【番外編】追加〜
だったらあたしは、今ある目の前の幸せをしっかり掴もう。
そう思った。
ふと意識を戻せば、いつも通りに騒ぐみんなの姿。
ただひとつ、変わりがあるとするならば…それは。
中央にいるのが、あたしたちではない…ということだけだろう。
そんな光景に、刹那的な傷みを覚えなくもないが。
…こうして見ているのも、悪くはない。
『…冬可』
「…何だ」
『こういうのも、悪くないね』
「…フ…、だな。」
きっと…ケンカばかりの毎日から、急に普通の日常になんか戻れない。
情報が回るまでは、あたしたちが狙われることも少なくはないだろう。
でも…そんなときは、絶対。
冬可が守ってくれる。
だったら。
だったら、あたしは。
…――ひたむきに冬可を信じて、待つことが出来るんだ。