クリヴァル
7
「兄ちゃん、僕今日はみんなにノロマって言われなかった」
嬉しそうに話す弟。
「これが兄さんの居る世界なんだね、やっと僕も同じになれた」
その笑顔に一抹の不安が胸をよぎったが、俺はワシワシと弟の頭をなでてやった。
「そりゃあ良かった」
弟に微笑みかける。
「でもお前のノンビリしてるとこ俺は好きだし、悪く言う奴らまで許しちまう優しいところがお前のスゲーとこなんだからさ…」
変わらないでくれよ、と語りかける兄の言葉に、いつもなら元気よく二つ返事が帰ってくるはずだった。
「…僕にもう慰めは必要ないよ」
慰め?いや、俺が伝えたいのはそんなことじゃない…
兄の気持ちをよそにオニキスが続けた。
「『優しい』なんて要らない、ずっと僕は優秀になりたかった」
「!」
ヒュッと音がして、テーブルの上にあったガラスコップが目の前をよぎる。
オニキスが、
自分に向かって、
投げつけた。
カチャンッ
「…オニキスッ!いきなり何しやがる!」
「あは、兄ちゃんなら避けれるよね、分かってたよ」
オニキスは口元に笑みを浮かべたまま告げた。
その瞳は…優しさを讃えていたこげ茶の瞳は、今は闇色に染まっている。
「あいつらは避けれなかったよ、馬鹿にしてた僕に手も足もでない……ふっ、あはははっ!」
弟がコワれてしまった、おそらくは…あの石のせいで。
嬉しそうに話す弟。
「これが兄さんの居る世界なんだね、やっと僕も同じになれた」
その笑顔に一抹の不安が胸をよぎったが、俺はワシワシと弟の頭をなでてやった。
「そりゃあ良かった」
弟に微笑みかける。
「でもお前のノンビリしてるとこ俺は好きだし、悪く言う奴らまで許しちまう優しいところがお前のスゲーとこなんだからさ…」
変わらないでくれよ、と語りかける兄の言葉に、いつもなら元気よく二つ返事が帰ってくるはずだった。
「…僕にもう慰めは必要ないよ」
慰め?いや、俺が伝えたいのはそんなことじゃない…
兄の気持ちをよそにオニキスが続けた。
「『優しい』なんて要らない、ずっと僕は優秀になりたかった」
「!」
ヒュッと音がして、テーブルの上にあったガラスコップが目の前をよぎる。
オニキスが、
自分に向かって、
投げつけた。
カチャンッ
「…オニキスッ!いきなり何しやがる!」
「あは、兄ちゃんなら避けれるよね、分かってたよ」
オニキスは口元に笑みを浮かべたまま告げた。
その瞳は…優しさを讃えていたこげ茶の瞳は、今は闇色に染まっている。
「あいつらは避けれなかったよ、馬鹿にしてた僕に手も足もでない……ふっ、あはははっ!」
弟がコワれてしまった、おそらくは…あの石のせいで。