クリヴァル
かなり筋がいい。
(うん…これはいける)
ミアは小さな少年を、常人と同じと思うのは止めにした。
「ジェイド、中はかなり手間取っている様子。我々で可能な限り手助けをします…魔力を操るイメージを簡単に説明します、一回で覚えて下さい」
「……ぐっ、この集中を切らさないまま、ですか…?」
「貴方のお陰でかなり楽になった…、まずはもう少しだけ波動を一定に保ちたい」
スラスラと言葉を並べるミアに、必死についていくジェイド。
(頭の回転もよい)
「ジェイド…この仕事が全て終わったら、私のところへ来なさい。オニキス君も一緒にね」
何か言いかけたジェイドを遮ってミアが続けた。
「貴方は優秀な人材、だけど全てを捨てて国に仕えろとは私は言わない。ただ力を貸してくれさえばいい。今この時のようにね」
集中をしているジェイドに答えを返す余裕は無かったが、その言葉は確かに耳に入り、自然と涙がこぼれた。
「……ありがとう、ございます。ミア様」
「また集中が乱れた、持ち直しますよジェイド」
「……はいっ!」