運命の糸

【真実の糸ー２８】




どうして、
こんなことを…？







理解に苦しむ永斗は
黒川に問い続ける。






「何でなんや……

こんなクローン置いて
何でさっさと
逃げないんや…

今まで騙しとったのなら
もうワイに
用はないやろ…」







それを聞くと、
多少気性高く
黒川は永斗を叱りつけた







「怒りますよ坊ちゃん。

用がない人間何て
この世に
いないのですよ…

坊ちゃんは
あの人みたくならないで
優しく生きてほしい。

それだけ
分かってください」






……急に何を…？







「今更なんや…
騙しといて…

お前はワイと言う
八番目のクローンの
監視を、

騙し騙し
してきたやろ…」








「………」







それを言うと
黒川は
だんまりしてしまった。







どうやら騙したことを
認めているようだ。






なら何で今更
こんなことを…







そう思ってると、

２人の目の前に
有毒のガスが
迫ってきていた！！






出口は向こう…


だけど、
ここまで充満してれば
行くことが出来ない…







しかし、
永斗を背負った黒川は
ためらう事もなく

そのまま真っ直ぐ
突き進んで行った…