運命の糸
第6糸ーそれぞれの糸
【それぞれの糸ー1】




ゴゴゴゴ……







低い地鳴りが響き、
遠くから
屋敷を眺めている。






「おい…崩れたぞ!!」







祐平はそれを口にすると
螢達は崩れ行く屋敷を
目の当たりにしていた。







真っ赤に燃える火が
5人の姿を照らし出す。







それを
呆然と見据えている…






「んん…」







ここで螢に背負われた
礼子が気付いたようだ。







「やっと起きたか
コイツ。

おい、しっかりしろ」







すると、
礼子は大あくびで
答えた。







「ふああ…
よく寝たわ…」







「コイツ…」







螢は呆れて
パッと手を離す。







ドサッ!!






礼子は
地面にしりもちをついた








「痛った~~~い!!

ピカピカ君!
もっとピッチピチの
プリティーワンダフルな
このレディを
大事にしなさい!!」







そんな文句を言う礼子に
祐平は座り込んで話した







「礼子さん
ずっと気絶してたん
だよ?

踝君が背負って来たから
感謝しなきゃ」







すると
礼子はニッコリとして
螢の足をパンパン叩いた






「な~んだ!
そうだったんだ!

あんがとね!!
ちょっと寄り道したら
遅くなっちゃった!!

いやー感動したわ!!

あ、
そうだ行かなきゃ!」






そう言って礼子は
屋敷の裏側に行こうと
歩き出した。






「ちょ!どこ行くの!」






そう言う朋樹に対し
礼子は手招きをする。






「いいからいいから!
ほら!
みんな手伝って!」





よく分からないが、
言われるがまま
礼子の後を付いて行った
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