運命の糸
【それぞれの糸ー8】




その後、
永斗だけは病院に運ばれ

その病院で
地下施設の焼け跡から
会長の死亡を
確認したとの話を
耳にしたのだ。







世間的には
会長の息子となっている
永斗…

その後継者として
会社を継ぐように
言われた。







しかし、
それを断り
代わりにあの島の復興を
お願いした。







幸い、
地下の施設は
ボロボロだが、
地上部の屋敷は
半壊で済んでいたので、

そこを立て直し、
亡きクローンの仲間達を
そこで一生かけて
供養することを
自分自身誓ったのだ。







それに黒川は
死んだことになって
いるが
死体は見つかっていない
ことも聞き、

どこかに生きていると
信じ、
いつか帰ってくる為に
恥じない自分を見せると
心に決めていた。








そして、
ケガが完治しないまま
永斗は島に戻り、

今は屋敷の途中にある
森の小屋で
ネネと過ごしているのだ







そんな2人の幸せそうな
写真も一緒に
同封されていた。







「トモトモ~
ネネちゃんだよ~
かーわいい~~」







礼子は
その写真を
朋樹に見せると、

それを
ほのぼのと見ていた。







ホント、
お兄ちゃんと妹のように
幸せそうな写真…






両親がいなくとも

永斗の念願の
家族らしい写真が
そこに写されていた
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