運命の糸

【それぞれの夜ー５】



ここは
夜のナイトクラブ…






そこの目の前に
１人の女性が立っていた







叶　礼子であった。






「ホホホホホ。

この店ね」







そう言って、
何故かクラブの中には
入ろうとせず、

少し離れたとこで
しばらく様子を
伺っていた。







すると…







ドカドカドカドカ！！






どこから湧いたか、
至る所から
スーツを着た男達が
一斉にクラブの中に
入って行った。







「行けー！！！
行けーーー！！！！」







年配の人が
何かの合図をしている。






どうやらこの人達は
警察関係の人間らしい。







「田崎！
早く行かんか！」







おっちょこそうな刑事も
それに連ねて
慌てて飛び出した。






「キャハハ！凄！」






次々に連行されてく
店の従業員。


リアルな世界が
繰り広げられていた。







礼子はこの生の
立ち入り検査を見たく、

ここで
待ちかまえていたのだ。







警察内でも機密な
この立ち入り情報を、

何故一般人の礼子が
知ってるかと言うと…







「教えてくれて
ありがとねオジサン★

こんなリアルな世界
見てみたかったんだ！」








礼子は誰もいない
電柱の方に
話しかけていた。








「ほら見てオジサン！
裸のオッサンが連行
されてくよ！

キャハハハハハハ！
おもれ！」








ピーポー！！
ピーポー！！







パトカーの
サイレントと共に

礼子の笑いが
街に響いた…