運命の糸

【紡ぐ冬の糸ー４】


「セーフ！
セーフだよな！？」






そう言いながら
いやにおちゃらけた
男の子が、
教室に入ってきた。






このシーンとしてる中

そんなこと言いながら
入るなんて凄い…








度胸があると言うか…

無神経と言うか…







そんなクラスでも
笑われる
天然なこの男の子の
名前は


「白井康司」

（しらいこうじ）君だ。







白井は
周りの反応を見ながら
ゆっくりと歩く。







「…どうやら

アウトみたいだな…」







そう言うと
静かに席に座った。






周りからも
クスクスと言う声が
聞こえてくる。







「潔いな白井。

お前が遅刻も珍しいから

寝ぼ助シールは
貼らないでやる」







そ、そんなあ…







すでに寝ぼ助シールが
５枚貼ってある祐平は

そう思った