運命の糸
【捕らわれの糸ー21】




突然の挨拶に、
意味が分からなくなる
一同。




それは本当だろうか?







すると今まで黙っていた
白井が口を開いた。







「…間違いないぜ。

あの人の顔、一度新聞で
見たことある…

モノホンみたいだな」







すると、
女はパチパチと拍手を
し始めた。







「フフ…
私の顔は一度しか
載ったことがないのに、
よく覚えてるわ。

毎日新聞を見てる証拠ね

偉いわね。
さすが将来刑事を
目指してるだけあるわ」








それを聞いた白井は
目を丸くした。







すると祐平は
おぞましい物を
見るような目で言った。








「…俺らのこと
調べてやがる…。

何もかも
お見通しみたいだ」






すると

隣で白井が首を横に
ブンブンとしてるのが
見えた。







「違う………

俺は
刑事になりたいだなんて
親にも
話したことがない…

こ、コイツは一体…」







いつも奇抜で
面白いことを
考えている白井。







誰にも何も言わず
いきなり刑事になったら
面白いな…

…と心で思っており、
親にも先生にも
喋ってはいなかった。








もちろん試験も
受けたわけではない。







進路などまだ先の話。







それを見事この女は
的中させたのだ
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