運命の糸

【捕らわれの糸ー２２】




「アナタ達のことなら
何でも分かるわ…」






そんな言葉に祐平は
全員に注意を促した。








「たまたま偶然だ！

みんな騙されるな！
心理的に心を付け入って
脅しをかけてるだけだ！」








なる程、
祐平の言うことも
一理ある。







皆が警戒し始めたが
女は余裕の笑みを
浮かべている。







「いいわ……
教えてあげる。

アナタ達の全てを…」







そう言うと
女は目を瞑り、
モニターに向かい
手を前にかざした…






何をしてるのだろうか？






その謎な行動に
誰も口を開かず、

しばらく時間が過ぎた頃
女は静かに目を開けた。







「稲葉祐平…
アナタは２つの魂を持ち
その幼き体で
遠い遠い地に一人で
旅立った…」







それを聞いた祐平は
ギョっとした。







それこそ
誰にも話したことない
あの星や転生の話を
何故コイツが…？







すると、
次々に驚愕な言葉が
女の口から飛び出した。







「叶礼子……
アナタには特別な感性が
あり、
幽体離脱ができるようね
見えない者を見る力が
あるわ…


芦田朋樹…
アナタは約一年後
病気によってその命を
落とすわ…
アナタの血液には重病な
病原体が存在するのよ。


続いて白井康司…
アナタは将来
刑事になるどころか
自らの意志で犯罪の道に
進むわ…
それも殺人犯と言った…


踝螢……
アナタね、
部下が言ってた
粋のいい子は……
アナタは
夢の中で不思議な
出来事が起こったようね
『夢の実』で
亡くなった妹さんに
会えたかしら？


藤堂永斗…
アナタの物語はこれから
始まるのよ」







その言葉に
全員が目を見開いた