運命の糸
【捕らわれの糸ー23】




1人も狂いなく
言い当てた…







そんな言葉を失ってる中

隣の部下が説明を始めた







「どうだ…
これが会長の力だ。
この方は
その人の未来や過去を
さきよみできる能力を
持っている…」







続いて女が口を開く。








「私の家系は代々
占い師で、
人を読む能力を
持っているのよ」








陰陽師として古くから
伝わる家系…



それが今、
ここまで色濃く
能力を自在に操る力が
備わり
六人の物語を
言い当てたのだ。








そして、
その力は
ただ人だけを見るに
使われるのでなく、

社会の情勢も
難なく把握することが
でき、

今に至っては
会社を大きく成長させ
この会長の地位にまで
置くことができたのだ。







そんな人間離れした力に
皆は驚きのあまり
声も出なくなっていた。







ただこの事態にも
関わらず、
朋樹は彼女の心配を
していた。








「俺達をどうするつもり
ですか。

こんなとこに
閉じ込めて…」







下手すりゃ
彼女に会えなくなって
しまう。






自分の身より
それだけが、
ただただ心配であった。








「…アナタ達は大事な
人材よ。

自分の身より
彼女を考えてる
今のアナタには悪いけど

カワイイ彼女の
千里さんのことは
諦めることね」







……彼女の名前まで
分かるのか……!!?







半信半疑に疑っていた
朋樹は、
その力を再確認した
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