運命の糸
【捕らわれの糸ー26】




「ねえねえ~~

ここ、一部だけ壁が
モロいって~。

この前も壊れて
直したみたいだから、
壊せるんじゃない?」








礼子が
急に横の壁を指差し、
変なことを言い始めた。








「…なんやてぇ?

誰がそないなこと
言うたんや」








「ん、ここにいる霊が
そう言ってるよ。

こんな辛気くさいとこ
女王のアタシに
似合わないから、
早く出よ」








礼子の言ってる言葉に
皆は理解出来なかった。







ただ、よく見ると
壁の色は
一部変色しているように
見えた。








「…何でもいい。
とにかく
ここがモロいんだな?

どいてろ…」








そう螢が言うと、
礼子はハ~~~イと
言って
ピョンと横に身をどけた







それを確認すると、
ゆっくり力を溜めた。








「はあ~~~…

行くぞ……オラ!!!」







ドゴン!!!







後先考えず、
螢は思い切り拳を
壁にぶつけた。








ガラガラ……!!!






見事積み重ねた石が砕け
連鎖するように
壁が崩れ落ちた。








「さっすがピカピカ君★
やっる~~~♪」







礼子は悪魔の光の螢に
勝手にあだ名をつけて
誉めたたえていた
< 50 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop