運命の糸
【脱出の糸ー3】




どうやら、
その道しか残されて
いないようだ。







「うう…こんな暗いとこ
通るのかよ…」








祐平が言う先に

幽霊でも出そうな
不気味な大木の枝が
揺らめいていた。








そこに向かって礼子が
手を振っている。




マジやめてもらいたい。







「んん??

チョイ見てみいや、
森に行くのに
道別れてへんか?」







その入り口から
道が3つに別れており

どれが
あの建物に通じてるか
分からない。







「こりゃ2人ずつ
分けて入った方がええで」







永斗のその案に
螢も賛同した。







「そうだな…

夜明けまで時間もないし
その方が効率がいい」







ただ、
唯一その案に
賛成できない祐平。






彼は暗いとこが
苦手であった。







そんなことをよそに
話はどんどん進んでいた








「ヨッシャ!

じゃあ、
もし行き止まりやったり
したら、
すぐ戻って残りの道を
追いかけるんやで」






もう話は永斗や螢の案で
ほぼ決まっている…





礼子は
特に話を聞いてないし、

白井・朋樹に至っては
先程から一言も話さない







どうやら、
ペアで組んで
森を抜けるという
祐平にとって最悪の案が

可決されたようだ
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