運命の糸
【脱出の糸ー5】




ともかく
一人でもこの島を脱出
すれば、
警察に通報することが
できる。







まとめて行動するのは
目立つ上、

一網打尽にされると
脱出率も下がるので
バラバラの行動が
効率良いだろう。







島と言うことで
携帯の電波はモチロン
不通。





だが、
必ず本土と連絡ができる
通信施設があるはずだ。








皆がそれを確認し、
いち早く
抜け出すことを
目的とした。







「よし…
とにかくヤバくなったら
森に逃げるんだ。

くれぐれも
バレないように
行動することだ」







螢は建物を見上げ、
皆に言い聞かせた。







「せやな。
みんな気をつけるんやで」







永斗は
みんなの身を
案じるように言った。







「イヤだわ!
夜明けになったら大変!
土曜日の午前は
バラちん再放送なのに!」







と礼子。







「あーあ…仕方ない
通るしかないか…

みんな気をつけて」






祐平は
未だ森に怯えながら
言っている。








「……行くかな」







…と不機嫌そうな白井。







「そう………だね…」







朋樹に至っては
まるで心ここにあらず
と言った感じである。







「じゃあ、
また必ず会おう」







みんなは口々に言い、
それぞれ森に
入って行った
< 55 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop