運命の糸
【研究所の糸ー4】



「そんで、
これからどないする?

ここに居れば
こんな奴らが何人も
来るで?」







こんな奴らが何人も…






…ハッ







それを聞き祐平は
何かを思い付いた。






「そうだ!

だったら
コイツらの服奪って、
堂々と
屋敷内をうろつこう!

そうすればゆっくり
通信室も探せる!」







「ぬ…でもバレないか?」







螢は強攻策が好きなので

こんなコソコソした
作戦は
少し気が乗らない。







「いや、
それええ考えやで!

一か八かで
やってみるべきや。

一度白衣っちゅ~もんを
着てみたかったしな!」






ホントお気楽…







緊張感ゼロの永斗は
賛成のようだ。







「でもコイツら
2人しかいないぞ?」






のびてる研究員は2人。

それを奪っても1人
余ってしまう。








「ここにあるよ。
ボロいけど…」







一着だけ
ゴミ箱近くにボロボロの
白衣が転がっていた。







誰かがこれで
我慢するしかない。






まあどの道
部屋から出なきゃ
ならないなら、
カモフラージュくらいは
しといた方がマシ。






螢は案をのみ、
研究員から
服をはぎ取ると、
さっさと着替え始めた。






それを見た祐平も
同じように服を剥ぎ取り
着替え始めた。







そうなると
ボロボロの白衣が残り

無言の流れで
永斗はこれで決定の
ようだ。






「憧れの白衣が…」






黒ずんだ白衣が
初めて着る憧れの
白衣になってしまった
< 83 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop