運命の糸
【研究所の糸ー6】



「何してる!!
さっさと来い!!」





どうやら顔を見られても
気付かないようだ。





「ハイ!スミマセン!」






いつもは絶対そんなこと
言わないような螢が
ビシッと挨拶をした。






役者だ……






見事な変貌ぶりを見た
2人も慌てて返事をして

よく分からないが
その研究員の
指を示していた方に
駆け足で行った。






よく顔を見ても
気付かれなかったな…

と思ったが
すぐにソレは理解できた






先に進めば進む程
この研究員の多さ…





顔の判別も
つかないくらいの
人数だ。






言うなれば、
この人数のお陰で
潜入は楽だが、

逆にバレたら大勢で
捕らえられるという
リスクもある。







とにかく堂々としつつも
人目につかない
微妙な技が必要になる。






「なあ…
見てみいやアレ…」





行き着いた先には、
研究員が
警備をしてるように
立っており、

こちらに合図をしていた





銅像の近くに
小さな穴が開いており
ハシゴの先端が
チラリと見える。






あそこに入れと?







これは
行くのは正解か…


はたまた
違うとこに行くべきか…






だがすでに
姿も見られてるし、

もうここまで来たら
一か八かで三人は

行く事を決意した。






近付くと研究員は
急がせた。






「早くしろ。
お前達で最後か?

長く
開けとけないんだから
もう閉めるぞ」






銅像に手をかけてる
研究員。






明らかに
何かの秘密通路のような
作りをしている。






「ああ、行きますよ…」






螢はそう言い、
三人共ハシゴを下って
行った…
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