運命の糸

【研究所の糸ー９】



「何を黙ってる～？
そう言えば
会長から聞いたぞ。
お前刑事を
目指してるんだって？

でもブタ箱に入ったのは
君の方だったね！！」







そう言って
高笑いし始めたのを見て

流石に白井も
カチンときた。







「うっせーな…
自分がブタなクセに…」







ぼそりと言った言葉が、
不運にも
聞こえてしまったようだ







「何だって～？
ブタとか聞こえだぞ～？」







ソイツは檻の鍵を開け
中に入ると、

いきなり持っていた
鞭で白井を叩いた！！







バシン！！







周りにこだまして響く
はちきれるような音。







一発でも痛いものだ。







「痛っつ……」







「もう一度言ってみろ。
誰がブタだって？」






そう言って、
何度もバシバシと鞭を
白井に叩きつけた。






「ハヒハヒ……

どうだ…
少しは分かったか…

このダメ刑事が」







「……」







ギン！！！







さっきまで
普通の高校生の顔を
していた白井は

急に目つきが変わった。







いつもは馬鹿騒ぎで
人を笑わしていた
白井の顔は、
般若のように
殺意を帯びていた。






「ヒ…」







この威圧感にすぐ気付き
怖じ気づくかのように
たじろいだ。







この状態でも
この重圧感。







螢のような
ケンカのプロが
出すような
オーラではない。







本気で人を殺す目だ