運命の糸
【研究所の糸ー11】



「ヒィィィ……!!!」







こ、殺される…







肩に
ダメージを負った男は
もう逃げられないことを
悟った。








ガシャ…

ガシャ…







白井は
手にまだチェーンが
ついたまま
ゆっくりと近付いて
きた…







そして、
目の前まで
その身を迫らせた。






「助けてくれぇぇ!!」







そんな言葉も白井には
聞こえていない。





彼の血が暴走したままだ







しかし、
白井はそのまま男の体を
またぐと、
そのまま檻の外へと
行ってしまった…







それをただただ
見ていた男…







まだガクガクと
震えている。







真の殺意を覚えた目…







不良達のケンカで使う
「ぶっ殺す」
とはワケが違う。







その冷静な殺意が
心から恐怖を植え付けた







「じ、尋常じゃない…
アイツ……

会長の言ってた通り、
将来人を殺す資質が
あるのかも…」







あの
六人のメンバーの中で

怒らせたら一番怖いのは
実は白井なのかも
しれない







恐怖で足がすくんだ男は
しばらくここから
動けないのであった
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