【完】甘いカラダ苦いココロ

 連れて行かれたのは通学路の通りにある小さな公園だった。相変わらず綺麗な顔立ちに完璧なメイク。丁寧に巻かれた髪。

「今日は全学年一斉模試なんです。翔梧のクラスはもう少し後にでてくるはず。あそこの先生話長いし。」

 納得して頷く。

「だからみんなこんなに早いんだね」
 
「もしかして、何も知らずにここまできたんですか?」

 彼女が呆れたように驚く。自分の行動の無謀さに頬が熱くなった。
 
「翔梧に会いに来たんですよね?」

「そう……なんだけど」
 
 彼女の目が見れない。俯いていると予想もしてなかった言葉が耳に届いた。

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