【完】甘いカラダ苦いココロ

 この気持ちがなんなのか。よくわからなかった。
 ただ、寂しいから? 甘えさせてくれるのなら誰でもいいの?
 
 翔梧のいない、この傷口を塞ぐために、ただ誰か側にいてほしいだけなんだろうか?
 山内さんじゃなきゃダメなの?

 山内さんがいなくなってしまったら私も寂しい。
 でも、それは、愛情? 同情?

「返事は……沙耶ちゃんが出張が終わってからでいいから」

 こんがらがった私は何も答えられず、ただ、黙って頷いた。

「よく、考えてみてくれるかな?」

 その真剣さに、想いの重さがのしかかる。
 ただ、山内さんの気持ちに甘えられたらどんなにいいだろう……。


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