【完】甘いカラダ苦いココロ

「これ」

 居眠りして落としたらしい。恥ずかしくて俯いて受けとる。

「……あっ。ありがとうございます」

 全然混んでないし、周りにもたくさん席がある。
 なのに……。その人は私の真隣に腰を下ろした。

 え!?
 なんで隣!?
 こんなに席が空いてるのに!?

 寝顔もがっつり見られたはず。手に嫌な汗をかきながら硬直していると

「あんな寝顔見せてんなよ。無防備すぎ」


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