【完】甘いカラダ苦いココロ

 新幹線を降りてホームに出る。とうとうここまで翔梧は一緒にきてしまった。もしかして、今度こそ、別れの時間なんだろうか? 少し身構える。様子を伺うってるとばっちり目が合った。

「沙耶、地図ある?」

「え、あ……これ?」

 手持ちの鞄からホテルへのアクセスの載ってる書類を渡す。

「道、分かる?」

 翔梧が聞く。乗り換えも分かりにくいけど、ホテルまでの道のりも少し道が込み入ってる。実は知らない土地では方向音痴な私。

「自信は、ない、けど」

 そう答えたのは、本当に道のりが不安だっただけじゃなくて……。もしかしてと思っていた。

「じゃ、行こう」

――え。本当に!?

 期待通りの答えで、逆におどろく。当たり前のように彼はスーツケースを持ってまた前を歩き出しすと手をこっちに伸ばす。

 何か渡すものがあったかな?
 地図は渡したし、切手は翔梧がもってるはず。



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