【完】甘いカラダ苦いココロ
――あ……。
背中を向けて歩き去っていく翔梧の姿。
え。待って!
『どうした?』
「いえ、あのっ。ごめんなさい。また後でかけ直します!」
あっという間に遠ざかっていく翔梧の背中を追う。
「待って! 翔梧っ」
私の呼び声に反応して、翔梧の足が止まる。二人の距離は2〜3メートルまだ背中を向けたままの翔梧のカラダ中から
やるせない憤りを放出してるようなあの、一種異様な空気を感じた。
この空気を、私はしっている。