【完】甘いカラダ苦いココロ
何でまた現れたの?
何でここまで一緒に来たの?
何で抱き締めたの?
何でキスしたの?
何で一人で傷ついてるの?
何で……!? 身勝手過ぎるよ。私の中で、何かが弾けた。
「……翔梧はなんにもわかってない」
目の前にいる彼を睨み付ける。
「そんなこと、言うなら、何で、今、目の前にいるのよ、何で、こんなことするの!?」
次から次へと溢れる涙をそのままに、私はココロは、張り裂けそうだった。
「本当に、勝手だよね。突然乱暴に抱いて……いなくなって。……また、いきなり現れて。身勝手すぎるよ」
嗚咽を漏らしながらこぼす言葉に、翔梧の瞳が揺れる。その綺麗な顔が苦悩に歪み、私を押さえる力が緩んだ。
「私の、気持ちは? 翔梧は私を何だと思ってるの?」
止まらない。ただ、ただ翔梧のココロが知りたかった。