【完】甘いカラダ苦いココロ

 聞いた時間までには多少余裕があった。家へ戻って着替えてから電車に飛び乗る。まさか、同じ時間の電車の同じ車両に乗れるとは思わなかったけど……。

――運命かもしれない。

 その気持ちよさそうに微睡む顔は。会いたくて会いたくてたまらないそのひとで。一瞬泣きそうになった。

 会ってからも、うまく気持ちを伝えられなくて、勝手にここまでついてきた。

 その仕草が、反応が可愛くて愛しくて仕方なくて、離さないように手を握り、振り返らず強引に先へ歩き続けてたけど、内心はどうしたらいいかわからず焦ってた。


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