【完】甘いカラダ苦いココロ

 値段はうちの店の中では少し高め。
 でも女の子の憧れが詰め込まれていると評判もよく、
 ペアでもプレゼントでも売り出しは好調だった。

 声を出して新作のリーフレットを読む翔梧。

「すごいじゃん。沙耶」

 ソファーに座って、コーヒーを運ぶ私に笑顔でそう言う。

「私はただ商品の原案を持っていっただけだから」

 隣に座りながら答える。 
 すごいって面と向かって言われると照れ臭い。

 でもほぼ私の原案通りの商品化で内心かなり嬉しかった。


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