【完】甘いカラダ苦いココロ
気が付けば休憩時間が終わっていて、慌てて店に戻る。
結局連絡は出来ないまま……。
「どうしたの?沙耶ちんため息ばっかり」
「さっきからずっと同じリング磨いてるし」
上の空で、ため息をこぼし続けてお店のスタッフの皆に心配される。
「ご、ごめん、ぼんやりしてた。ちょっと寝不足で……」
自分で言った言葉に、昨日の夜の事を思い出してほのかに顔が熱くなる。
――何かあったんでしょ?
勘ぐる皆をなんとか誤魔化して夕方の短い休憩に入る。
何が起こってるのか。私が一番わかってないんだから説明しようがない。