【完】甘いカラダ苦いココロ
話しは数時間前に遡る。
「お姉ちゃん、遊びに行こ!」
週末、実家から私のマンションに遊びに来ていた妹が スウェットにTシャツ髪は二つ結びで休日をリラックスして過ごしてた私に突然キレた。
妹の実貴(ミキ)は二十歳になったばかり。何を見ても何をしても楽しいお年頃。大学三年になって夜遊びが盛んになってきたお節介な妹には、最近新しい彼氏が出来たらしい。
「お姉ちゃん、いくら自分の家だからって気ぃ抜きすぎじゃない!? だからもう何年も彼氏いないんだよ。」
午後九時。
今日も夜遊びの予定なのか、完璧なメイクを更に塗り重ねていた妹に仁王立ちで怒られた。
「このまま干からびちゃうつもり!? 見た目そんなに悪くないんだからさぁ、若いうちに楽しまなきゃ損だよ!」
あんたこそ一体幾つよ?
っていう小さなツッコミを心の中で入れながら、いつもの妹のお説教を苦笑いで聞き流す。