【完】甘いカラダ苦いココロ
マンションが近づいて、エレベーターを待つ間、お互い極端に口数が少なくなっていく。エレベーターに乗り込み
扉が閉じる。その瞬間、どちらともなく唇を合わせる。
いつものように、息を継ぐ間もないくらい深く、濃いくちづけ。誰にも会わないように、部屋へともつれ込む。
二回目に会ったホテルでも。
三回目にここで会った日も。
それからもずっと……。私たちは隠れるように愛し合う。そう感じていた。