【完】甘いカラダ苦いココロ

「春菜のやつ……」

 呟く悪態にも親しみをかんじる。

「彼女、すごく可愛いよね」

 深い意味もなく口をついた。本当に美少女だったから。
驚いたように一度私を見て笑う翔梧。

「春菜は幼なじみで、妹みたいなもんなんだよ。あいつは彼女気取りだけど……」
 
 少し困った顔をして、悪びれず堂々と説明してくれる。
翔梧の口から改めて聞くと彼女の存在の現実感が増した。話し方もなんだかいつもと少し違うように感じた。

「本当に、高校生なんだね……」

 思わず溢れた正直な気持ち。気まずそうに鼻を掻く、そんなありふれた仕草にさえ若さを感じてしまう。

「うん、まぁ……引いた?」

 
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