【完】甘いカラダ苦いココロ

 妹が貸してくれた服は私は絶対買わない系統のミニワンピ。ベアトップの胸元が折り返しになってフリルのようなデザイン。ウエストマークにキャメルの太ベルト。淡い緑色の地に可愛い小花柄の柔らかいシフォン素材の生地が私の足を膝上10センチまで隠している。

 まだ四月初め、露出しすぎで肌寒い。訴えると上には薄い色のGジャンを貸してくれた。靴は白いウエスタンブーツで辛うじて足先は暖かかい。

 肩下の髪もいつもとは違う雰囲気にアイロンで巻いて、大きめリボンのカチューシャ。
 化粧も部分的に濃く直され、つけまつげまでされた。

「お姉ちゃんかわいい。今年25になるとは思えない」

「そう?」

 妹の一言多い誉め言葉にも乗せられて、コスプレか着せ替え人形のように変身した私は、なんとなく愉快な気持ちになっていた。目的地に着いた時には鼻歌混じりだったくらい。


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